風船や気球に入っているヘリウムガスの基本知識、用途、作り方(製造方法)をまとめました。
目次
- ヘリウムガスの基礎知識
- ヘリウムガスの用途
- ヘリウムガスの作り方(製造方法)
1.ヘリウムガスの基礎知識
- 無味・無色・無臭
- 相対密度:0.1381(0℃、0Pa、空気を1とした場合)
- 沸点:-268.9℃(あらゆる物質の中で最も沸点が低い)
- 原子が小さく、水素に次いで軽い
- 希ガスの一つであり、不活性である
- 非常に安定な物質で正規の化合物は作らない
- 熱伝導度が高い
2.ヘリウムガスの用途
①ガス利用
リークテスト:分子が小さいので漏れ確認に使用
分析計:分析計のキャリアガスとして使用
溶接用:溶接のシールドガスとして使用
風船、飛行船、気球:空気よりも軽い性質を利用し浮揚力を利用する
光ファイバー製造:ファイバー化(線引き工程)の雰囲気ガス、引き延ばし工程での冷却用に使用
自動車のエアバック:インフレ―ター(ガス発生装置)を利用しバックを膨らませる
②液体利用
MRI・NMR:極低温を利用し、超電導状態を作り出す
3.ヘリウムガスの作り方(製造方法)
ヘリウムは空気中に0.00052%(約5ppm)しか存在しないので、深冷空気分離では経済性が合わない。
そこで0.5~3%程度のヘリウムを含む天然ガス田から分離、精製し製造する。
国内にはヘリウムを含有する天然ガスが存在しないので、海外から全量を輸入している。
主なヘリウムの産出国はアメリカ、カタール、ポーランド、ロシア、アルジェリア、オーストラリアなど。
2010年時点ではアメリカが世界シェアの約80%を占めていたが、シェールガスへの移行などにより近年産出量が少なくなってきている。
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