工業用の水素の供給形態を供給量別にまとめました。
- シリンダー(ボンベ)
- カードル
- トレーラー、セルフローダー
- ローリー、コンテナ
- 発生装置、パイピング
1.シリンダー(ボンベ)
水素ガスが充填されているシリンダー(ボンベ)。
参照:株式会社 東京酸器 -産業ガス- (tokyo-sanki.jp)
ガス状態での供給形態の中では最も供給量が小さい。
一般的な容器サイズは47L容器。
充填圧力が14.7MPaの場合は充填量7㎥、19.6MPaの場合は充填量は10㎥。
容器サイズは3.4L、10Lなどもっと小さいものもある。
2.カードル
水素ガスが充填されているシリンダー(ボンベ)の集合体。
参照:神鋼エアーテック株式会社 https://shinko-airtech.com/gasliquid_H2.html
ボンベを10本単位や20本単位で架台で固定し、配管を連結させている。
ガスが無くなったときに、ボンベを1本1本交換する手間が省ける。
重量が重くなるので、搬入・搬出の際はフォークリフトやユニック車が必要。
ボンベを立てて固定する「縦置きタイプ」と寝かせる「横置きタイプ」がある。
充填量はボンベの本数分。(例:7㎥ボンベ×10本組の場合は70㎥)
3.トレーラー、セルフローダー
水素ガスの充填された長尺容器を集結した輸送用容器。
参照:神鋼エアーテック株式会社 https://shinko-airtech.com/gasliquid_H2.html
長尺容器とは1本の長さが6m以上の長い大型容器のこと。
ゴム製タイヤが付き、そのまま牽引移動可能なのがトレーラー。
鉄製の車輪が付いていて、ウインチ付きの専用トラックの荷台に引き上げて移動するものがセルローダと呼ばれる。
長尺容器1本あたり60~140㎥の水素ガスが充填されており、1車で約2,000~3,000㎥の水素を供給出来る。
ガス状態での供給形態の中では最も供給量が大きい。
4.ローリー、コンテナ
水素を液体状態で運ぶためのタンクローリー、コンテナ。
参照:貯蔵・輸送・ハンドリング技術 |イワタニと水素技術 | Iwatani-水素とイワタニ
水素の沸点はおおよそマイナス253℃とヘリウムに次いで低い。
液体窒素(沸点マイナス196℃)と比べても60℃近く温度が低い。
液化すると飛躍的に輸送効率が上昇し、水素トレーラーと比べて最大約12倍の水素ガスを一度に運ぶことが可能。
液体水素ローリー1台で約20,000L(約17,800㎥)、液体水素コンテナで約40,000L(約35,600㎥)の供給が可能。
5.発生装置、製造装置、パイピング
水素を運んで来るのではなく、現地で製造する装置。「水素発生装置」や「水素製造装置」と呼ばれる。
近隣の水素を製造している施設(工場)から配管で供給される形態を「パイピング」という。
参照:大型水素製造装置|三菱化工機株式会社 (kakoki.co.jp)
水電解や都市ガスやナフサを分解する水蒸気改質などの方式がある。
詳細は下記水素の作り方をご参照下さい。
以上、供給量別水素の供給形態でした。
※本記事中に記載している㎥は全てS㎥となります。
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